黒部川扇状地のほぼ中央に位置する文化と歴史のまち若栗。地名の由来は、はるか昔、500m以上もある栗の木からでた蘗（きはだ）とされる数万本の栗の若芽が村に繁茂したことによって名付けられたとされています。栗は「勝栗」として古来より事の出陣、祝勝に縁起物として使われてきました。その名を配したこの地は豊かな水と土、農作物に恵まれています。あいあい地蔵は全ての人々がわきあいあいと暮らし、長寿をもたらしますようにとの願いを込めています。

ここから徒歩数分の場所に天真寺があります。黒部市指定名勝であるその庭園は、近江八景の趣を取り入れた回遊式で、門をくぐると築山に五重塔が建ち、張り巡らされた曲水のまわりは四季折々の木々と花で彩られ、中央には琵琶湖を模した池が掘られています。敷地内には『北陸の銀閣寺』と呼ばれ全国でも数少ない数寄屋風建築で黒部市有形文化財建築物の松桜閣があります。平成23年に解体復元工事を終え、1890年頃のたたずまいがよみがえりました。