黒部市の宮野運動公園は、黒部宇奈月温泉駅から車で約5分、海抜120メートルほどの宮野山にあります。
宮野運動公園のゆるやかな斜面を登っていくと、眼下には黒部川扇状地が広がり、富山湾や能登半島も見渡せます。
宮野運動公園の成り立ちには、黒部の米づくりの歴史が深く関わっています。
かつて黒部川扇状地は砂質のため保水力に乏しく、米づくりには不向きな土壌でした。そこで粘土質の土を水田に運び入れて土質を改良しようという動きが起こったのですが、田んぼ一枚一枚に大量の土を運ぶのは時間も労力もかかります。そのため、「流水客土(りゅうすいきゃくど)」という、赤土を水に溶かして用水に流し、水田まで運ぶという方法が提唱されました。そして昭和26年(1951)から日本で初めての大規模な流水客土事業が始まり、宮野山も採土地の一つとなりました。
宮野山の台地はずっと昔に扇状地だったところで、赤土が多く保水力が高い土地として知られていました。流水客土事業により宮野山は土が削り取られて低くなり、赤土がむきだしの無残な姿になりました。そのため、この跡地に木を植え、市民の憩いの場として整備したのが、現在の宮野運動公園の姿です。
宮野運動公園は桜の名所として知られており、またスポーツ施設や芝生広場などが整備されているので、さまざまな楽しみ方があります。
自然豊かなロケーション、扇状地の眺めをバックにした野外ステージは、コンサートなどの各種イベントに利用されています。
気候の良いこの季節に、黒部宇奈月温泉駅から気軽に行ける行楽地で楽しんでみてはいかがですか?
宮野運動公園など、にいかわ地域の桜の見頃の時期につきましては、地域観光ギャラリー「観光案内所」にお問い合わせください。